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た点があります。「学社連携・学社融合」という動き、カリキュラム論における「教科主義−経験主義」の問題、教育における「価値(観)形成」の問題等、まだまだ議論すべき点が数多くあります。とりわけ筆者が、主に理科教育研究に携わってきた者であるために気付かなかったことがあるはずです。
いずれにしても、もはや環境教育を避けて通ることはできません。環境教育は、学校の教育活動を統合する核の一つとなったり、学校と生活・社会の架橋となって学校教育にリアリティを付与したり、子どもに学習する価値を感じさせたり、また子ども同士間、子ども−教師間、さらに教師同士間の交流を活発化させるなど、学校教育を活性化させる要素を多数含んでいます。環境教育を学校教育にとって積極的な意味をもつものと受け止め、その着実な浸透を図って行きたいものです。

 

文献
1)鶴岡義彦:実践事例の解説、中学校理科教育実践講座刊行会編「同講座第11巻環境教育と理科教育」p.6、ニチプン(1995)
2)中央教育審議会第一次答中:21世紀を展望した我が国の教育の在り方について−子供に[生きる力]と[ゆとり]を−(1996.7.19)
3)野上智行編:環境教育と学校カリキュラム、東洋館出版社(1994):現代教育科学、No.470(「教科の壁を破るクロス授業の提案」特集号)(1996)
4)鶴岡義彦:生き方が問われる環境教育、教育センターだよりNo.69、p.1、千葉市教育センター(1993)
5)鶴岡義彦:環境問題の特徴と環境教育の課題、中学校理科教育実践講座刊行会編前掲書、p.190(1995)
6)総合学習研究開発プロジェクト編:学校運営研究別冊No.460(「"生きる力"を育てる総合的な学習の構想」特集号)(1997)
7)魚住忠久:国際化の進展と『生きる力』、山際隆編「キーワード中教審答中読本」、p.173、教育開発研究所(1996)
8)我妻栄編:ジュリスト、No.492(「環境−公害問題と環境破壊」特集号)(1971)
9)鶴岡義彦:生物の愛護・生命の尊重、「理科の教育」Vol.43,No.8,pp.40−41(1994)
10)ASE:Rethinking Science?−Teaching Scienceinits Social Context−(1984)
11)Bybee,R.W.ed。:NSTA1985Yearbook,ScienceTechnologySociety,NSTA(1986)
12)鶴岡義彦:現代における科学的教養と理科教育、吉本市編著「現代理科教育の課題と展望」、pp.32・44、東洋館出版社
(1981)
13)Holman,J.:Science&Technology In Society;General Guide for Teachers,ASE(1986)
14)小川正賢:序説STS教育、東洋館出版社(1993):理科の教育、Vol.42,No.11(「理科におけるSTS教育」特集号)(1993)
15)R.オズボーンほか編:子ども達はいかに科学理論を構成するか、東洋館出版社(1988)鈴木宏昭ほか:教科理解の認知心理学、
新羅杜(1989)
16)J.レイヴ、E.ウェンガー:状況に埋め込まれた学習、産業図書(1993)佐伯畔ほか編:科学する文化、東京大学出版会(1995)
17)山岸俊男:社会的ジレンマのしくみ、サイエンス社(1996)
18)荒木紀幸:モラルジレンマ授業の教材開発、明治図書(1996)

 

 

 

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